Japanese
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特集 新生児リハビリテーション—NICUからの取り組み
NICU出身の子供たちのフォローアップについて
Follow up of infants following discharge from neonatal intensive care unit
笛木 昇
1
Noboru Fueki
1
1長野県立こども病院リハビリテーション科
1Division of Rehabilitation, Nagano Children's Hospital
キーワード:
フォローアップ
,
極低出生体重児
,
長期入院児
,
子育て支援
Keyword:
フォローアップ
,
極低出生体重児
,
長期入院児
,
子育て支援
pp.31-36
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200106
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はじめに
近年早産による低出生体重児の増加があり,その原因として晩婚化による高年齢妊娠,生殖補助医療による多胎妊娠の増加,ストレス要因,絨毛膜羊膜炎の増加などが考えられている.
新生児集中治療室(neonatal intensive care unit;NICU)での医療の進歩により,在胎22週の出生でも元気に育つ可能性を期待できるようになった1).また厚生労働省の統計によると,0歳児の死亡原因は,1位が「先天奇形,染色体異常」2位が「周産期に特異的な呼吸障害」となっている2).
赤ちゃんの約30人に1人がNICUへ入院すると考えられており,2007年の楠田の報告では,NICUに入院中の赤ちゃんのうち,出生体重1,500g未満の極低出生体重児は45%を占め,1,500g以上でNICU入院の必要な病的新生児が55%であった.病的新生児のうち58%は呼吸障害であり,その他外科疾患,先天性心疾患,奇形症候群,神経疾患などが42%を占める3).その中には,NICUに長期間入院せざるを得ない児もあり,適正なNICUベッド数の検討,小児在宅医療の推進が模索されている.
NICUに入院した子供たちと家族に対し,入院中から育児支援を行い,その発達予後をフォローアップし,多職種の連携のなかで環境調整し,児と家族が社会参加できるようにしていくことが大切である.今回,極低出生体重児のフォローアップ体制と病的新生児のうち,NICU長期入院児の現状と問題点についてまとめていきたい.
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