連載 ユニバーサルデザイン・第5回
ユニバーサルデザインと公共サービス
西山 敏樹
1
Toshiki Nishiyama
1
1東京都市大学
キーワード:
AI
,
IoT
,
ビッグデータ
Keyword:
AI
,
IoT
,
ビッグデータ
pp.899-902
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202041
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高度情報技術が進化・深化する「軽薄短小な」未来都市へ
世の中は第3次人工知能(Artificial Intelligence;AI)ブームとなっている.Internet of Things(IoT)とともに生活シーンに高度情報技術が日々入りつつある.ユニバーサルデザインは誰もが安全で安心,快適に過ごせるようにすることが大切な目的であるが,AIやIoTなどをベースとした高度情報技術はその実現に向けて必要不可欠である.筆者は,今日のスマートフォン隆盛社会を予測して,ウェアラブルコンピューティングの実現を前提に多様な生活者の支援の可能性を追究してきた.その研究の蓄積と経験から導き出されたことは,高度情報技術を用いれば重厚長大で老朽化するインフラストラクチャーを可能な限り減らせ,コンピューティングシステムの導入で効率的で効果的な「軽薄短小な」公共空間を創り上げることができるという点である.
例えば,最近の鉄道駅では,JRのみどりの窓口のような有人の乗車券販売所が大きく減っている.遠方に行くための乗車券も,高度な券売機で買えるようになっている.高度な券売機ではソフトウェアも充実し,希望の座席位置の指定や乗継候補の選択肢提示なども可能である.人件費抑制も達成でき,経営効率上昇にも繋がる.
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