連載 ユニバーサルデザイン・第6回
緊急時対応とユニバーサルデザイン
西山 敏樹
1
Toshiki Nishiyama
1
1東京都市大学大学院環境情報学研究所
キーワード:
緊急時対応
,
認定制度
,
高度情報技術
,
エコデザイン
Keyword:
緊急時対応
,
認定制度
,
高度情報技術
,
エコデザイン
pp.1005-1008
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202063
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緊急時対応に向けたまちの指針の構築の重要性
筆者は,2018年度から岐阜県高山市の「高山市誰にもやさしいまちづくり推進会議」の会長を務めている.その推進指針ではユニバーサルデザインの7原則に基づき,まちづくりの視座をさらに4つにまとめている.4つの視座とは,「簡単」,「安全」,「快適」,「自由」である.筆者は永らく都市開発・地域開発も専門にしながらユニバーサルデザインの推進にかかわっている.
そこでまず大切な点は,生活者の価値観を大切にしながらユニバーサルデザインの方向性を指針としてまとめて,地方自治体が生活者と共有化することである.高山市では,地震・台風などの一般的自然災害とともに,雪の影響や寒冷傾向など,厳しい気候面も指針で考慮する必要がある.また日本有数の観光地であり,テンポラリーに訪問した外国人を含む観光客も考慮した災害などの緊急時対応を指針で考える必要である.しかも,市町村の合併で東京都23区よりも広い市となっている.高山市は多様な緊急時対応を考慮すべき自治体になっている.
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