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入門講座 転倒リスクアセスメントと予防・3
転倒予防のための看護ケア
Nursing care for prevention of falls
檜山 明子
1
Akiko Hiyama
1
1札幌市立大学看護学部
1School of Nursing, Sapporo City University
キーワード:
転倒予防
,
転倒予防ケア
Keyword:
転倒予防
,
転倒予防ケア
pp.877-882
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202037
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はじめに
転倒は,環境による状況と,患者の行動および医療者の行動による相互作用のなかで発生するため,発生は多様な要因により影響される.つまり,段差や滑りやすい床,障害物,暗くて見えにくい状況,予期しない外力などの安全な活動が阻害される環境と,患者自身の安定した移動をするための能力不足やそれを補おうとする看護師などの医療者による移動・移乗援助の過程によって転倒は発生する.
そのため,転倒を予防するための対策は,外的要因の調整と患者自身のもつ内的要因を把握したうえで行う日常生活援助の確実さが求められる.したがって,転倒予防のための看護ケアは,外的要因・内的要因の組み合わせにより多様になるため,看護師にとっては困難に感じられる.しかし,患者の療養生活のなかにあるニーズを充足するために安全な方法を選択するという原則に則った看護が基本であり,日常生活援助における適切なケア選択が重要になる.
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