Japanese
English
研究ノート
デイサービス利用高齢者の転倒予防:下肢筋力,日常生活および転倒恐怖感と転倒との関連
Fall Prevention for Elderly at Day-Care Service Centers : Relationship between Fall and Muscle Strength in the Lower Extremities, Activities of Daily Living, and Fear of Falling
加藤 真由美
1
,
加藤 昭尚
2
,
泉 キヨ子
1
,
平松 知子
1
,
正源寺 美穂
1
Mayumi Kato
1
,
Akinao Kato
2
,
Kiyoko Izumi
1
,
Tomoko Hiramatsu
1
,
Miho Shogenji
1
1国立大学法人金沢大学医学部保健学科
2国立大学法人金沢大学医学部附属病院
1National University Corporation, School Of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kanazawa University
2National University Corporation, Kanazawa University Hospital
キーワード:
転倒予防
,
デイサービス利用高齢者
,
下肢筋力
,
転倒恐怖感
,
日常生活
,
fall prevention
,
elderly at day-care service centers
,
muscle strength in the lower extremities
,
fear of falling
,
activities of daily living
Keyword:
転倒予防
,
デイサービス利用高齢者
,
下肢筋力
,
転倒恐怖感
,
日常生活
,
fall prevention
,
elderly at day-care service centers
,
muscle strength in the lower extremities
,
fear of falling
,
activities of daily living
pp.28-35
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的はデイサービス利用高齢者の転倒予防を考えるために下肢筋力,日常生活,転倒恐怖感と転倒との関連を検討することである.対象は14か所のデイケアセンターから同意が得られた94名(82.2 ± 5.9歳)である.研究方法は,下肢筋力は膝関節伸展運動時の最大等尺性筋力の測定を行い,日常生活状況,転倒恐怖感,転倒経験・損傷状況は聞き取り調査を行った.なお,日常生活状況は基本的ADLと外出・運動状況や居住している階についてであり,転倒恐怖感は改訂版転倒自己効力感尺度(MFES)を用いた.その結果,転倒者は32名(34.0%),転倒件数は35件であり,うち転倒による損傷は20件(57.1%),骨折は15%発生していた.転倒場所は6割が屋内で起こっていた.下肢筋力は転倒者が14.7kg,非転倒者が16.3kgであり,転倒による差はみられなかった.しかし,介護度が高くなるにつれて下肢筋力は低下しており,下肢筋力の低下が介護度を高めていることが示唆された.日常生活においては外出していない者,2階居住者に有意差がみられ,住環境などを調査していく必要があると考えられた.MFESは転倒者が94.7点,非転倒者が103.5点であり,転倒による差はなかった.しかし,今回の対象は転倒の有無にかかわらずMFES得点が100点前後と低く転倒恐怖感は高いことは,対象が女性であること,身体の機能低下やADL依存度の高さなどが背景として考えられた.
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