Japanese
English
特集 病態に応じた腰痛のリハビリテーション診療
脊髄損傷による腰痛
Low back pain following spinal cord injury
渡邊 友恵
1
,
田中 宏太佳
1
Tomoe Watanabe
1
,
Hirotaka Tanaka
1
1中部労災病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Chubu-Rosai Hospital
キーワード:
脊髄損傷
,
脊髄損傷後疼痛
,
腰痛
,
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
Keyword:
脊髄損傷
,
脊髄損傷後疼痛
,
腰痛
,
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
pp.835-840
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202032
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脊髄損傷後疼痛の定義と疫学
脊髄損傷に起因する痛みは脊髄損傷後疼痛と呼ばれ,脊髄損傷者に高頻度に発生し,多くは慢性的な経過をたどる.脊髄損傷直後から起こる痛みと,ある程度時間を経てから起こる痛みがあり,その多くは治療抵抗性で鎮痛治療に難渋することが多い.
Siddallら1)は,100人の脊髄損傷者のうち,受傷後6か月の時点で,筋骨格系疼痛を有したものが40%,損傷髄節の神経障害性疼痛は36%,損傷髄節以下の神経障害性疼痛は19%であったこと,全体の64%が何らかの疼痛を抱えており,55%が神経障害性疼痛と規定しうる疼痛であり,そのなかでも21%が厳しい痛みを抱えていたと報告している.
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