Japanese
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特集 健康関連QOLとリハビリテーション
脊髄損傷
Health-related quality of life after spinal cord injury.
田中 宏太佳
1
Hirotaka Tanaka
1
1中部労災病院リハビリテーション科
1Rehabilitation Medicine, Chubu Rosai Hospital
キーワード:
脊髄損傷
,
健康関連QOL
,
SF-36
Keyword:
脊髄損傷
,
健康関連QOL
,
SF-36
pp.1015-1019
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100208
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はじめに
近年,脊髄損傷者に対する医学的管理が進歩したことによって,患者の生命予後は良好となり,機能的な帰結も改善している.急性期の治療で救命された後,1年以上にわたって障害の変化がみられる場合もある.しかし,多くの患者は損傷脊髄に関連する運動・感覚・膀胱直腸障害などが残存し,日常生活のパターンが変化してしまう.この脊髄損傷のように,多少にかかわらず障害が残存する疾患の治療の帰結を評価する場合,単に機能障害や能力障害のような身体機能の問題だけでなく,心理的および社会的な側面もよく検討する必要がある.健康関連QOL(quality of life)は,これ以外にも認知や役割機能・生活の満足度などを含めた多面的な視点に立ったQOLの概念で,医学的な面からの評価の必要性だけでなく社会経済的な側面からも最近着目され,脊髄損傷における健康関連QOL評価についても多くの研究が行われている.
この論文では,脊髄損傷者の健康関連QOLの評価の実際を,包括的評価法と特異的評価法それぞれにおいて海外で行われた研究を例に挙げて紹介し,また,日本語版として使用できるものを筆者の行った研究も交えて紹介する.
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