巻頭言
リハビリテーション医学と新型コロナウイルス感染
陶山 哲夫
1
1東京保健医療専門職大学
pp.715
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202003
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リハビリテーション(Rehabilitation)の語源を紐解くと,Re(再び),Habilis(適合,もとの状態に戻す),tion(すること)からなり,「更正」,「名誉回復」,「社会への帰還」などの「復権」という意味あいで使われていました.世界のリハビリテーションの理念・定義は世界保健機関(World Health Organization;WHO)の提唱に従って変遷してきたと思いますが,2001年の国際生活機能分類(International Classfication of Functioning, Disability and Health;ICF)の定義により,リハビリテーションの考え方も大きく変化したと思います.
日本において高齢社会への対応策として介護保険法が2000年4月から施行され,また近年の病期別分類では一般的に「急性期・回復期・維持期(生活期)」3段階に分類され,包括的リハビリテーションとして遂行されています.リハビリテーションの意味は冒頭で説明したように「再び元の状態に戻る」,あるいは各種の「復権」にあるとされており,現在分類されている病期分類別にある維持期や生活期のリハビリテーションは本来の意味から厳密には逸脱することになるのではないかと思っています.
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