Japanese
English
実践講座 がんのリハビリテーション—診療ガイドラインをどう活用するか・3
頭頸部がん
Head and neck cancer
飯野 由恵
1
,
鶴川 俊洋
2
Yoshie Iino
1
,
Toshihiro Tsurukawa
2
1国立がん研究センター東病院骨軟部腫瘍・リハビリテーション科
2医療法人青仁会池田病院リハビリテーション科
1Department of Musculoskeletal Oncology and Rehabilitation, National Cancer Center Hospital East
2Department of Rihabilitation Medicine, Ikeda Hospital
キーワード:
頭頸部がん
,
手術
,
化学放射線療法
Keyword:
頭頸部がん
,
手術
,
化学放射線療法
pp.471-475
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201948
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はじめに
頭頸部領域は日常生活に欠かせない感覚器や運動器などの機能を有している.そのため,腫瘍そのものや治療(手術・化学放射線療法)に伴い,発声,嚥下,構音,上肢運動などの機能障害や審美性の問題により日常生活に支障を来し,生活の質(quality of life;QOL)の低下を引き起こす.したがって,頭頸部がんの治療にあたっては「根治性」と「QOLの維持」の両立が求められる1).さらに,精神心理面への配慮も重要であることから,頭頸部がん治療には医師,看護師,リハビリテーション専門職,管理栄養士など多職種によるサポートが不可欠となる.
「がんのリハビリテーション」が浸透しつつある昨今,がん患者のリハビリテーションに携わるセラピストも増加している.2013年に「がんのリハビリテーションガイドライン」(以下,初版GL)が発行され,「がんのリハビリテーション診療ガイドライン,第2版2)」(以下,改訂GL)はリハビリテーション治療の益と害のバランス・患者の価値観や好み・コスト(患者負担)や臨床適応性を含めて作成された.治療によって生じた摂食嚥下障害や構音障害,上肢運動障害などは日常生活に支障を来すことから,なるべく早期に安全な経口摂取やコミュニケーションの再獲得,QOLの向上が求められ,適切なリハビリテーション治療は重要である.本稿ではこの改訂GLのなかの「第5章 頭頸部がん」における変更や追加点,使用方法について概説する.
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