Japanese
English
研究と報告
頸部郭清術後の頭頸部がん患者における肩や頸部の疼痛とQOLの関連性
Relationship between shoulder and neck pain and quality of life in head and neck cancer patients undergoing neck dissection
村田 絵吏
1
,
角井 俊幸
2
,
伊藤 俊弘
3
Eri Murata
1
,
Toshiyuki Kakui
2
,
Toshihiro Ito
3
1旭川医科大学病院リハビリテーション部
2医療法人社団整形外科進藤病院
3旭川医科大学医学部看護学科看護学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Asahikawa Medical University Hospital
2Shindou Hospital
3Department of Nursing, Faculty of Medicine, Asahikawa Medical Hospital
キーワード:
頸部郭清術後
,
頭頸部がん
,
疼痛
Keyword:
頸部郭清術後
,
頭頸部がん
,
疼痛
pp.61-68
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202132
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要旨 【目的】頭頸部がん患者における頸部郭清術後は,肩の機能障害に加え,頸部の感覚障害や疼痛の訴えが多いが,頸部を含めた機能障害と生活の質(quality of life;QOL)の関連性やリハビリテーションの必要性について述べた本邦での報告は少ない.今回,肩や頸部の主観的症状,特に疼痛とQOLの関連性について検討した.【対象】旭川医科大学病院にて頸部郭清術を施行し,半年以上が経過した術後リハビリテーション未実施の頭頸部がん患者39名とした.【方法】QOLに関する評価としてEuropean Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire Core 30(EORTC-QLQ-C30,以下QLQ-C30)を使用し,肩や頸部の主観的評価として頸部郭清術後機能質問表(Neck Dissection Questionnaire;NDQ),そのほか,肩関節・頸部可動域,上肢機能評価,精神機能評価との関連性を検討した.【結果】肩や頸部の疼痛はQLQ-C30における全体的QOL,身体的機能,精神的機能,疼痛,睡眠障害および経済的困難感において関連性を認めた.【結語】本結果により,頸部郭清術後の頭頸部がん患者におけるQOLの改善には,先行研究で示す副神経麻痺による上肢機能障害,精神症状だけではなく,肩や頸部の疼痛軽減を目的としたリハビリテーションの効果が期待できると考えられた.
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