Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「星に語りて〜Starry Sky〜」—東日本大震災,「消えた障害者」はどこへ行った?
二通 諭
1
1札幌学院大学
pp.185
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201883
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筆者は,「2011年3月11日東日本大震災,障害のある人と支援者の物語」(宣伝文)をテーマとする「星に語りて〜Starry Sky〜」(監督/松本動)が上映された札幌市の拓北・あいの里地区研修会の場に講師として居合わせた.240名もの地域住民が来場し,感想アンケートの回収率が90%を超えるという事実を目の当たりにし,本作は,地域のコミュニティづくりの一環として,町内会などを核として上映されるべき作品であるとの感を強くした.
本作でも取り上げている被災6か月後のNHKの調査(被害の大きい陸前高田市などは含まれず)によれば,岩手・宮城・福島の沿岸部の全人口に占める死亡率が1.03%であったのに対して,障害者は2倍の2.06%.障害者が災害弱者であることを白日のもとに晒した.また,本作のベースになったと思われる『満天の星空-障害のある人たちの東日本大震災』(KSブックレット18 2012年3月11日)によれば,震災当時,障害者は各避難所に一人くらいしかおらず,支援者は「消えた障害者」を探すという課題と向き合うことになった.
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