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3月11日に発生した東日本大震災当日,これまでの人生の中で最も大きな激しい揺れの地震を体感し,私は患者さんのそばを離れないようにすることが精一杯でした.テレビでは,津波の映像や壊滅的な町並みの光景が連日報道されているのを観ていて,私にも現地で何かできることはないのかと考えていたところ,日本理学療法士協会のホームページで,ボランティア募集を知り,今回参加することにしました.宮城県気仙沼市保健福祉事務所の理学療法士の先生を中心に,日本理学療法士協会から2名,宮城県理学療法士協会から1名,日本作業療法士協会から2名の合計6名で1週間活動しました.
主に気仙沼市内の避難所や,ときにはケアマネジャーからの在宅相談にも行かせていただきました.震災以前より気仙沼市内は高齢者が多い地域ですが,リハビリテーション(以下,リハビリ)を受けられる施設は少なく,それを看護師やヘルパーなどが支えていたようです.今回はそういった状況を踏まえ,震災以前の状態に戻すことを目的に活動するようにと伝えられました.またボランティアが働きやすいようなシステムが既にできており,避難所の保健師や医療スタッフに,事前にリハビリの必要な対象者や,支援の必要な方をピックアップしてもらっていました.私たちは各避難所に出向き,津波で杖やコルセットなど歩行補助具を流失した方には適切な杖などをお渡ししたり,痛みや不安がある方にはお話を聞いて生活の仕方や体操などの提案をしました.今回の活動時にとても良かったことは,作業療法士と一緒に行動することができたことです.避難所の限られた環境の中で,あるものを利用して生活しやすい環境を作ったり,認知症や精神疾患の方も避難所で生活しているため,周囲への配慮などをスタッフに提案されていました.
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