Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
蒲原有明の『夢は呼び交す』—高齢期の聴覚障害
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.924
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201755
- 有料閲覧
- 文献概要
昭和21年から翌22年にかけて発表された蒲原有明(1876〜1952)の自伝小説『夢は呼び交す』(岩波書店)には,昭和10年ごろ,晩年の有明が全聾に陥った時の状況が描かれている.
まず,有明が聾になる前には,妻に向かって,「お前はどうかしたのかね.声がすっかり変ってぼやけてしまっている.もっとはっきり物をいってもよさそうなものだ」と,訝るようなことがあったという.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.