特集 心理学
夢
外林 大作
1
1横浜市立大
pp.68-71
発行日 1958年4月15日
Published Date 1958/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910590
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このところ,夢ばかりみてよくねむれません。それはいけませんね,よくねむれるお茶をさしあげましよう。とにかく,ねむりが第一ですからね。
というような会話が患者との間にとり交されるときは,夢はねむりを妨げるもの,健康にとつてわるいもの,病気のためにおきるもの,というように考えられています。実際に,私たち自身が夢ばかりみていてよくねむれない日には朝起きてからも,睡眠が足りないような気がし,体はだるいし,めざめも悪いものです。よくねむれる,ということは,健康の印にもなります。だから,とにかく夢をみないで,ぐつすりねむりたい,というのは病人のみならず健康な人びとの願いでもある。いろいろな睡眠薬も,そのために売れる。ということになります。
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