Japanese
English
入門講座 リハビリテーション医療のエビデンス—言語聴覚療法・4
聴覚障害—高齢期難聴を中心に
Auditory rehabilitation mainly for elderly hearing loss
鈴木 恵子
1
Keiko Suzuki
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
1Department of Rehabilitation, Kitasato University School of Allied Health Sciences
キーワード:
聴覚障害
,
聴覚リハビリテーション
,
補聴器
,
人工内耳
Keyword:
聴覚障害
,
聴覚リハビリテーション
,
補聴器
,
人工内耳
pp.347-353
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201923
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聴覚障害とは
本邦では,会話聴取への寄与が大きい0.5,1,2kHzの3周波数ないしは4kHzを加えた4周波数の純音閾値から算出した平均聴力レベルをもとに,25dB以上40dB未満が軽度,40dB以上70dB未満が中等度,70dB以上90dB未満が高度,90dB以上が重度の難聴と診断される(表1)1).診断に重要なもう1つの評価が,ことばを聞き取る力,すなわち語音聴力である.純音聴力の低下が軽度でも,内耳を含む上位の聴覚経路の疾患では語音弁別能が低下する.したがって,純音聴力検査の結果を示すオージオグラム(聴力図)のみで重症度を判断することは避けねばならない.ちなみに両側70dB以上,または一側90dB,他側50dB以上で6級,両側80dB以上,または両耳の語音弁別能50%以下で4級の身体障害者手帳が交付される.
難聴は,音が聞こえない,または聞こえにくい状態を示す用語であり,難聴が原因で生じるさまざまな困難を聴覚障害と捉えることができる.リハビリテーションは聴覚障害の軽減のための介入と理解できる.成人の場合,一般に40dB以上の中等度難聴になると生活において何らかの困難を自覚するようになる.しかし軽度難聴においても,実際は難聴による不利益が生じ得ることを医療に携わる者は認識する必要がある.
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