連載 リハビリテーション医療に必要な薬物治療・第6回
骨粗鬆症
萩野 浩
1
Hiroshi Hagino
1
1鳥取大学医学部保健学科
キーワード:
骨粗鬆症
,
骨吸収抑制薬
,
骨形成促進薬
,
逐次投与
Keyword:
骨粗鬆症
,
骨吸収抑制薬
,
骨形成促進薬
,
逐次投与
pp.585-589
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201669
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骨は常に骨リモデリングと呼ばれる新陳代謝を繰り返している.古い骨や微小ダメージを生じた骨が破骨細胞によって吸収され,同部位に骨芽細胞によって新しい骨が形成される(図1).この骨形成と骨吸収は海綿骨では骨表面で,皮質骨ではハバース管に沿って,生涯にわたって継続される.閉経や不動状態では破骨細胞性骨吸収が亢進するため,骨芽細胞による骨形成が吸収された骨量を補うことができずに,骨量減少を生じて骨脆弱化を招来する.
そこで骨粗鬆症治療薬は主として破骨細胞性骨吸収を抑制する骨吸収抑制薬と骨芽細胞による骨形成を促進する骨形成促進薬とに分類される.近年の骨粗鬆症治療薬の進歩は著しく,2001年に骨吸収抑制薬のアレンドロン酸が臨床応用されて以来,大規模臨床試験で骨折抑制効果が明らかとされた骨吸収抑制薬が相次いで登場し,臨床現場で広く使用されている.骨形成促進薬は2010年にテリパラチドが,本年,新たにロモソズマブが承認され,いずれも高い臨床効果を有するが,使用期間に制限がある.
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