連載 生理検査レポートのみかた・第4回
脳波検査
重藤 寛史
1
Hiroshi Shigeto
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野
キーワード:
脳波
,
レポート
,
報告書
,
判定
Keyword:
脳波
,
レポート
,
報告書
,
判定
pp.591-595
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201671
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脳波報告書で最初に見るのがレポートの最後にある「コメント」と思われる.そこには脳波の判定と患者情報から判読者が推定した病態がコメントされている.しかし「コメント」はあくまで推定であり主観的要素が含まれている.一方,コメントに至る前段階の「判定」は,年齢以外の患者情報を排して行っており,背景活動,覚醒度,非突発性異常,突発性異常,賦活による変化,の各項目から総合的に導き出される客観的なものである.正しい判定をするにはこれら各項を網羅している必要がある(表1).
日本臨床神経学会のデジタル脳波の記録・判読指針には脳波検査申込書/報告書が添付資料として公開されている1).最近のデジタルレポートシステムでは,判定の根拠となる代表的な波形を添付できるようになっており,どのような波形から判定に至ったのかを知ることができる.デジタルレポートシステムでなくても,突発性異常や非突発性異常の元波形を添付している報告書がよい報告書といえる.脳波レポートを見る場合には最終的な「コメント」を見るだけでは不完全で,そのコメントに至った波形の解釈や最終判定の根拠を把握することが重要である.
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