Japanese
English
入門講座 感覚障害とリハビリテーション・2
視覚障害
Rehabilitation for visually impaired people
久保 寛之
1
Hiroyuki Kubo
1
1神奈川リハビリテーション病院眼科
1Department of Ophthalmology, Kanagawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
ロービジョン外来
,
感覚訓練
,
歩行訓練
,
日常生活訓練
,
コミュニケーション訓練
Keyword:
ロービジョン外来
,
感覚訓練
,
歩行訓練
,
日常生活訓練
,
コミュニケーション訓練
pp.839-843
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201416
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はじめに
視覚障害は情報取得における障害である.現代の人類は,生活するうえで必要とされる情報の80%を視覚に頼っているという.視覚に困難を抱えた場合,「生活していくこと」に大きな負担がかかってくるのは当然であろう.社会生活のさまざまな面が破綻してしまうことも想像できる.その負担を少しでも軽減し,社会参加につなげていくことが,超高齢社会を迎えた本邦でも重要である.
視覚障害の原因疾患は多岐にわたる.最近増加しているのは加齢に伴う加齢黄斑変性や緑内障などの疾患である.視覚障害原因疾患のなかで割合として以前と変わらないのは,網膜色素変性を代表とする網脈絡膜変性疾患などである(図1).眼疾患はもちろん,脳神経外科領域や神経内科,耳鼻咽喉科疾患でも視力低下や視野欠損が生じる場合もある.疾患によって困難を抱える場面は変わってくる.
中心暗点などの視力低下によって困難を感じるのは主に読字の場面である.求心性視野狭窄によって困難を感じるのは主に移動である.病状や視覚状況によって個人差も大きく,また,技術の習得に関しても年齢や教育歴・生活歴などの影響で個人差は大きい.
本稿では筆者らが普段,神奈川リハビリテーション病院(以下,当院)ロービジョン外来で,七沢自立支援ホーム視覚障害部門と共同で行っている検査・訓練などを紹介する.
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