Japanese
English
実践講座 脳卒中患者の体力評価・2
筋持久力の評価
Evaluation of muscular endurance
伊藤 倫之
1,2
Tomoyuki Ito
1,2
1京都府立心身障害者福祉センター附属リハビリテーション病院リハビリテーション科
2京都府立医大大学院スポーツ・障がい者スポーツ医学
1Kyoto Pretectural Rehabilitation Hospital
キーワード:
筋線維
,
静的・動的筋持久力
,
筋疲労
Keyword:
筋線維
,
静的・動的筋持久力
,
筋疲労
pp.165-168
発行日 2018年2月10日
Published Date 2018/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201224
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筋持久力とは
筋力は,筋肉が1回の収縮で発揮できる最大の力であるのに対して,筋持久力はその筋力が持続できる能力,つまり,筋肉が繰り返し収縮し続けられる能力と定義されている.筋持久力は,つまり,ある一定の負荷強度でどれだけの回数,または,時間,筋肉が繰り返し運動し続けられるかを示している.また,英語では,(local)muscular enduranceまたは,strength enduranceとAmerican College of Sports Medicine(ACSM)のPosition Stand1)に表現されている.筋力と筋持久力は必ずしも相関せず,一定負荷における持続回数が2倍になっても筋力が2倍になっているわけではない.また,後述の筋疲労を筋持久力の指標として評価することもある.
筋力は,筋線維でいうと速筋線維(type Ⅱb)が大きく関係しているのに対し,筋持久力は,遅筋線維(type Ⅰ)の関与割合が大きい.また,速筋線維のなかでtype Ⅱa線維は,fast-oxidative-glycolytic線維とも呼ばれ,コハク酸脱水素酵素を多く含み無酸素運動だけでなく,有酸素運動にも優れている.このtype Ⅱa線維が,筋持久力発揮時には動員される.また,筋への効率的なエネルギー供給が必要なため,筋への血流,すなわち毛細血管の発達なども大きく影響している.
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