Japanese
English
増大特集 老年者とリハビリテーション
Ⅱ.老化の障害学
1.Impairment
筋力と筋持久力
Muscle Strength and Endurance in the Elderly.
木村 彰男
1
Akio Kimura
1
1慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
筋力
,
持久力
,
老化
Keyword:
筋力
,
持久力
,
老化
pp.301-304
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106771
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はじめに
加齢はヒトの生理機能に様々な影響をもたらすが,中でも筋肉ないし筋力の変化は,歩行をはじめとする日常生活動作に直接的に影響するため,リハビリテーション医学の面からも特に興味深い大切な問題である.老化に伴い筋肉は萎縮するが,これは筋線維数の減少が主な原因で,同時に個々の筋線維も萎縮することが確かめられている1).さらに高齢者ではタイプⅡ線維の萎縮が著明なことも報告されているが1),加齢により瞬発力が衰えても持久力が比較的保たれているのは,これらの筋線維のタイプと関係しているためと思われる.
筋肉の生理学的あるいは形態学的変化の詳細は本特集の基礎編に譲るとして,本稿では持久力を含めた筋力の加齢による変化を中心に,運動により高齢者でも筋力の維持あるいは強化が可能であるかという実際的な臨床の問題なども取り上げて以下に解説したい.
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