Japanese
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特集 リハビリテーションと疲労
疲労―筋疲労とその研究・検査方法を中心に
Fatigue: Muscular Fatigue and Its Neurophysiological Approach.
木村 彰男
1
Akio Kimura
1
1慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center.
キーワード:
筋疲労
,
筋電図
,
重症筋無力症
,
疲労検査
Keyword:
筋疲労
,
筋電図
,
重症筋無力症
,
疲労検査
pp.585-590
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106565
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はじめに
疲労は医学用語というよりも日常的にしばしば用いられる言葉であるが,その意味するところは多様で極めてあいまいな言葉である.疲労の研究は運動生理,産業医学1)の面からなされることが多く,純粋に医療の立場に立った研究2)は少なく,リハビリテーション医学の分野からのアプローチも極めて限られている.最近の「リハ医学」,「総合リハ」の論文をみても体力に関するものは幾つかみられるが,疲労そのものについての研究3)は殆どなされていない.その理由としては,疲労が主観的な訴えであり客観的に捕えることが難しいことが考えられる.しかしながら,例えば筋疲労については筋電図学的に種々の方法で客観的に捕える試みがなされ,臨床面でも神経筋疾患の日常検査として疲労検査4)が役立っている.更には病理学的,生化学的な面からも疲労に対するアプローチが行われるようになってきている5).
今回は先ず疲労の定義を述べその研究方法について概観し,特に神経筋疾患に対する疲労の電気生理学的検討について言及してみたい.
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