Japanese
English
研究と報告
透析中の低強度レジスタンストレーニング継続による透析患者の骨格筋量と運動能力の変化
Effect of continuous low intensity resistance training during hemodialysis on skeletal muscle mass and exercise capacity in patients treated with hemodialysis
大山 恵子
1
,
大山 博司
2
,
高木 宜史
3
,
田代 優輝
3
,
内田 広康
1
,
藤森 新
4
Keiko Ooyama
1
,
Hiroshi Ooyama
2
,
Norifumi Takagi
3
,
Yuki Tashiro
3
,
Hiroyasu Uchida
1
,
Shin Fujimori
4
1つばさクリニック
2両国東口クリニック
3メディカルフィットネスT's Energy
4帝京大学医学部附属新宿クリニック
1Tsubasa Clinic
2Ryogoku Higashi-guchi Clinic
3Medical Fitness T's Energy
4Teikyo University Shinjuku Clinic
キーワード:
透析中の運動療法
,
運動強度
,
骨格筋量
,
運動能力
,
レジスタンストレーニング
Keyword:
透析中の運動療法
,
運動強度
,
骨格筋量
,
運動能力
,
レジスタンストレーニング
pp.1237-1241
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201173
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 【目的】つばさクリニックでは2013年7月から,DVDを利用して,運動強度2 metabolic equivalents(METs)程度に設定したレジスタンストレーニング(音楽やリズムにあわせて行うミュージックエクササイズ)を透析中に導入している.この低強度の運動を継続することで透析患者の骨格筋量や運動能力がどのように変化したかを検討した.【対象と方法】1回の透析につき20分の運動を週に2回,1年間にわたって継続できた61例の透析患者を運動群とし,非運動群29例とで骨格筋量と下肢筋肉量の変化をレトロスペクティブに比較した.次いで1回の運動時間を40分に延長し,6か月間運動を継続できた35例で運動能力の変化を検討した.【結果】運動群では骨格筋量が23.7±4.5kgから24.1±4.3kgに有意(p<0.05)に増加したが,非運動群ではわずかに低下する傾向にあった.運動能力としての30秒椅子立ち上がりテスト(30-second chair stand test;CS30)は12.3±4.2回から15.0±5.6回に有意(p<0.01)に増加し,6m歩行時間は4.9±2.2秒から4.4±1.6秒に有意(p<0.01)に短縮した.【結語】透析中の運動療法は2 METs程度の低運動強度であっても,レジスタンストレーニングを確実に1透析あたり20〜40分間で週2回の実施を継続すれば,透析患者の骨格筋量は増大して運動能力は向上するものと考えられた.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.