Japanese
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実践講座 小児の痙縮治療・2
ボツリヌス治療—脳性麻痺:上肢
Botulinum toxin treatment for children with cerebral palsy:upper limb
瀬下 崇
1
Takashi Seshimo
1
1朔望会リハビリテーションエーデルワイス病院リハビリテーション科
1Rehabilitation Edelweiss Hospital
キーワード:
脳性麻痺
,
ボツリヌス治療
,
作業療法
Keyword:
脳性麻痺
,
ボツリヌス治療
,
作業療法
pp.831-835
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201057
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はじめに
A型ボツリヌス毒素による上肢痙縮治療は2015年に保険診療が認可された.下肢ほど頻度は高くないが,上肢操作性の改善目的や,更衣の際の介助の軽減,呼吸の改善の目的で筆者もこれまで治療を行ってきた.しかし,更衣介助や呼吸状態の改善は安定しているが,上肢操作性の改善は不確実で,当初に抱いていたイメージとは異なった結果となっている.最近の論文の傾向でもボツリヌス治療単独の治療成績から機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES)を併用するなど集学的に取り組んだ報告が増えつつあることからも,上肢機能障害を改善するためには単に痙縮を改善しさえすればよいというものではないことがうかがい知れる.
本稿ではこれらにつき,文献的な考察を交えて論じたい.
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