特集 小児整形外科-新たな治療法の導入-
脳性麻痺に対するボツリヌス毒素治療
松尾 圭介
1
,
河村 好香
,
東 周平
1北九州市立総合療育センター 整形外科・リハビリテーション科
キーワード:
ギプス包帯
,
筋痙縮
,
筋肉内注射
,
脳性麻痺
,
Botulinum Toxin Type A
,
アルゴリズム
,
集学的治療
,
尖足変形
,
インターベンショナル超音波診断
,
下腿筋
,
ストレッチング
,
神経筋促通法
,
神経伝導速度
Keyword:
Algorithms
,
Cerebral Palsy
,
Casts, Surgical
,
Combined Modality Therapy
,
Equinus Deformity
,
Injections, Intramuscular
,
Muscle Spasticity
,
Ultrasonography, Interventional
,
Muscle, Skeletal
,
Botulinum Toxins, Type A
,
Muscle Stretching Exercises
pp.620-626
発行日 2017年6月19日
Published Date 2017/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017261400
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はじめに
痙縮は上位運動ニューロン症候群の一徴候であ り,筋緊張や腱反射の亢進・クローヌスなどを特 徴とし,脳性麻痺(cerebral palsy;CP)の70 ~80% にみられる運動障害である1)。CPの下肢痙縮に対す るA型ボツリヌス毒素(botulinum neurotoxin-A; BoNT-A)製剤の応用は,1993年の初期にKomanら2) が尖足歩行の治療として有効性を報告した。日本 では,2009年に「2歳以上の小児脳性麻痺患者にお ける下肢痙縮に伴う尖足」,2010年に「上肢および 下肢の痙縮」への適応が認められた。 本稿では,CPの尖足歩行に代表される下肢痙縮 の治療に焦点を当てて解説し,当院で行っている BoNT-A治療の実際と,併用して行う理学療法につ いて紹介する。
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