Japanese
English
症例報告
ロボットスーツHAL®による歩行訓練を行った脳卒中慢性期の片麻痺患者の1例—歩行障害の改善と治療限界について
A case of chronic right putaminal hemorrhage after continuous ambulation exercise with Robot Suit HAL® in the view of the attenuation and limitation of locomotive ability
冨士井 睦
1
,
山本 直樹
2
,
岡野 生也
2
,
安田 孝司
2
,
大串 幹
1
,
陳 隆明
3
Mutsumi Fujii
1
,
Naoki Yamamoto
2
,
Ikuya Okano
2
,
Takashi Yasuda
2
,
Miki Ohgushi
1
,
Takaaki Chin
3
1兵庫県立リハビリテーション中央病院リハビリテーション科
2兵庫県立リハビリテーション中央病院リハビリ療法部
3兵庫県社会福祉事業団総合リハビリテーションセンター
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, Hyogo Rehabilitation Center Central Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Hyogo Rehabilitation Center Central Hospital
3Hyogo Rehabilitation Center
キーワード:
ロボットリハビリテーション
,
脳出血
,
歩行改善
,
治療限界
Keyword:
ロボットリハビリテーション
,
脳出血
,
歩行改善
,
治療限界
pp.747-750
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201029
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はじめに
従来,脳卒中後の歩行障害は発症から数か月間改善し1),慢性期には改善はほぼ期待できないとされてきた2).しかし近年,パワーアシスト外骨格型のロボットスーツHybrid Assistive Limb®(HAL®)を装着して歩行動作をアシストするリハビリテーションを行うことで,慢性期の脊髄損傷や脳卒中患者において歩行障害が改善したと報告されるようになってきた3-6).それはHAL®が,歩行時の筋活動に伴う皮膚表面の生体電位信号を読み取り,その信号に従って装着者の関節運動を正常状態に近い歩行パターンで補助する動作支援を行うことにあるとされる7).しかしHAL®の歩行訓練の効果が得られた限界まで,詳細に訓練経過を報告した例はみられない.今回筆者らは,慢性期の脳出血例に対し,HAL®を用いた歩行リハビリテーションを行い,歩行改善の有効性と訓練の限界について検討したので報告する.
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