Japanese
English
特集 療育/小児リハビリテーション
ハイリスク児のフォローアップ
Follow up of high-risk infants
河野 由美
1
Yumi Kono
1
1自治医科大学小児科
1Department of Pediatrics, Jichi Medical University
キーワード:
早産低出生体重児
,
長期予後
,
神経学的障害
,
発達遅滞
Keyword:
早産低出生体重児
,
長期予後
,
神経学的障害
,
発達遅滞
pp.769-775
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200704
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
生物学的,医学的あるいは社会的要因よって生ずる,急性あるいは慢性的な疾患,成長発達上の障害や遅れなどの予後不良のリスクのある新生児をハイリスク児という.ハイリスク児の多くは新生児集中治療室(neonatal intensive care unit;NICU)に入院し治療やケアが必要となる.周産期医療の進歩により,ハイリスク児の多くがNICUを生存退院し,年月を経て年長者は成人となってきている.この間,新生児医療は生命予後の改善だけではなく,長期的予後にも眼を向けて進歩してきた.しかしながら,在胎28週未満の超早産児や出生体重1,500g未満の極低出生体重児では,脳性麻痺,視覚障害,知的障害などの神経学的障害の頻度は一般児に比べ高率であることが報告されている1,2).また,低出生体重と発達障害のリスクとの関連も指摘され,評価法の確立と継続的な支援や療育体制の整備の必要性が高まっている.一方,ハイリスク児をもった親の立場からみれば,神経学的障害を合併している児はもちろん,障害のない児でも,体が小さい,言葉が遅いなど,さまざまな問題について不安を抱えており,個々の症例に応じたフォローアップが望まれる.そのようなハイリスク児,特に極低出生体重児のフォローアップの現状と予後,目的とニーズにあったフォローアップのための取り組みと長期フォローアップの体制整備について述べる.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.