Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「幕が上がる」—高校演劇部の活動プロセスから教育の本質を抽出する
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.443
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200605
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児童生徒を,自身で自身を教育しようとする「自己教育」という地点まで導くことができたとするなら,学校あるいは教師は教育目標の一つを達成したといえるだろう.学校で自己教育性が花開く場といえば部活動.人気アイドルももいろクローバーZ主演の「幕が上がる」(監督/本広克行)は,劇作家・平田オリザの小説を映画化したものであり,高校演劇部の活動プロセスから教育の本質を抽出している点で教育学の映像テキストでもある.
演劇と教育は,演劇教育という実践概念があるように親和性が高い.本作がそうであるように,教育の営みに演劇を位置づけ,演劇をとおして人格の形成を図ることができるのだ.
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