Japanese
English
研究と報告
運動器疾患のない高齢男性患者の歩幅と下肢筋力の関係—歩幅の著しい短縮をもたらす下肢筋力水準
Non-linear relationship between step length and lower extremity muscle strength in older male patients
大森 圭貢
1
,
笠原 酉介
1
,
立石 真純
2
,
近藤 千雅
1
,
松嶋 真哉
1
,
鈴木 智裕
1
,
多田 実加
1
,
最上谷 拓磨
1
,
佐々木 祥太郎
1
,
笹 益雄
1
,
飯島 節
3
Yoshitsugu Omori
1
,
Yusuke Kasahara
1
,
Masumi Tateishi
2
,
Chika Kondo
1
,
Shinya Matsushima
1
,
Tomohiro Suzuki
1
,
Mika Tada
1
,
Takuma Mogamiya
1
,
Shotaro Sasaki
1
,
Masuo Sasa
1
,
Setsu Iijima
3
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
2横浜市瀬谷区医師会訪問看護ステーション
3国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局
1Department of Rehabilitation Medicine,St. Marianna University School of Medicine,Yokohama City Seibu Hospital
2Home Visit Nursing Service of Seya Ward Medical Association
3Rehabilitation Services Bureau,National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
歩幅
,
下肢筋力
,
高齢男性
Keyword:
歩幅
,
下肢筋力
,
高齢男性
pp.53-56
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200481
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要旨 【目的】歩幅と下肢筋力の関係が非線形である場合,筋力水準の違いによって,筋力の変化が歩幅に与える影響は異なることが考えられる.本研究の目的は,歩幅と下肢筋力の関係が線形あるいは非線形モデルに適合するのかを検討し,両者の関係が変化する筋力水準を明らかにすることである.【方法】65歳以上の男性患者176名の等尺性膝伸展筋力(以下,筋力)と歩幅を後方視的に調査し,両者を線形および非線形モデルに適合させR2値を求めた.またデータを筋力値によって二分割し,二分割したデータをそれぞれ一次関数に当てはめ,2式の残差平方和の和が最小となる筋力値を求めた.【結果】筋力が大きくなるに従い歩幅は広く,筋力が小さくなるに従い歩幅は狭くなった.R2値は線形モデル0.28,非線形モデル0.32であり,非線形モデルのほうが高値であった.2つの一次関数の残差平方和の和は,筋力値0.40kgf/kg未満と以上で分割した際が最小であった.一次関数の傾きは0.40kgf/kg未満では0.97,0.40kgf/kg以上では0.22であった.【結語】高齢男性患者の歩幅と等尺性膝伸展筋力は非線形モデルに適合し,筋力が0.40kgf/kg以上では筋力の増減に対する歩幅の変化は少なく,0.40kgf/kg未満では筋力の低下に伴う歩幅の短縮は著しくなる.
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