実践講座 障害者雇用の実際・4
企業の立場から—株式会社ワールドビジネスサポートにおける障がい者の雇用の目的と配慮について
原 健太郎
1
Kentaro Hara
1
1株式会社ワールドビジネスサポート人事部東京人事課
1WORLD BUSINESS SUPPORT CO., LTD. Human Resources Department
キーワード:
特例子会社
,
法定雇用率
,
ダイバーシティ推進活動
Keyword:
特例子会社
,
法定雇用率
,
ダイバーシティ推進活動
pp.1139-1144
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200449
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はじめに
株式会社ワールドビジネスサポート(以下,WBS)は,親会社である株式会社ワールドの特例子会社として2004年4月に設立された.株式会社ワールドは婦人・紳士・子供服などの企画販売をしており,代表的なブランドには,アンタイトルやタケオキクチなどがある.
WBSはワールドグループにおける障がい者雇用の促進と,生産性の拡大化を実現するサービスセンターとして事業を展開している.設立12年目を迎えた現在,従業員数は607名,そのうち176名の障がい者がさまざまな業務に従事している(表1).WBSの特徴は,障がい者雇用数の多さである.そして1つの部署に障がい者を集約するのではなく,神戸・東京両オフィスビルのさまざまな部署に点在して就業しているところが強みである.その職域は,人事支援事業・経理支援事業・給与厚生事業・庶務事業・事業支援事業・WEB/EC(electronic commerce)支援事業・マッサージ事業・食堂運営事業・喫茶事業・清掃事業・物流事業・店舗支援事業など幅広く,各部署にて自らの能力を発揮している(図1).
2011年1月より人事部に所属し,障がい者の採用から彼らを部署で支える健常者のフォローを含めた支援までをしてきた筆者は,職場定着について試行錯誤しつつ取り組んできた.その実践経験を踏まえ本稿では,WBSにおける,① 障がい者雇用の目的と,② 職場における配慮について現状と課題を報告する.
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