Japanese
English
症例報告
全身振動刺激トレーニングが有効であった脊髄腫瘍術後脊髄性運動失調の1例
Whole body vibration for post-operative spinal ataxia:successful case study
三瓶 良祐
1
,
小林 龍生
1,2
,
田中 良弘
3
,
椎名 義明
1
Ryosuke Sampei
1
,
Tatsuo Kobayashi
1,2
,
Yoshihiro Tanaka
3
,
Yoshiaki Shiina
1
1防衛医科大学校病院リハビリテーション部
2防衛医科大学校医学教育部看護学科
3防衛医科大学校病院救急部
1Department of Rehabilitation Medicine, National Defense Medical College Hospital
2Division of Nursing School of Medicine National Defense Medical College
3Department of Emergency, National Defense Medical College Hospital
キーワード:
全身振動刺激トレーニング
,
脊髄性運動失調
,
バランス能力
Keyword:
全身振動刺激トレーニング
,
脊髄性運動失調
,
バランス能力
pp.567-571
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200269
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
全身振動刺激トレーニング(whole body vibration training;WBVT)は,振動するプラットフォーム上で運動することにより身体機能を向上させるトレーニング方法である.1960年代の旧ソビエト連邦で宇宙飛行士が宇宙飛行に従事する際の微重力状態による体力低下を防ぐために使用され,近年,健常者を対象として,筋力増強1,2),柔軟性向上3),高齢者の転倒予防4),プロスポーツ選手のトレーニングやコンディショニング5)などの効果が報告されている.また,脳卒中後片麻痺や多発性硬化症,脊髄損傷などの疾患患者のリハビリテーションにも用いられており,WBVTはスポーツ医学,健康・保健分野,リハビリテーション医療などに対して広く応用されている.
脊髄性運動失調(spinal ataxia)は脊髄後索の病巣による深部感覚障害が原因で協調運動障害,バランス能力低下を来す.また,深部感覚障害は立位,歩行時の安定性を低下させ,日常生活に悪影響を及ぼす病態である.
今回われわれは,脊髄腫瘍摘出術後の脊髄性運動失調に対してWBVTがきわめて有用であった1例を経験したので報告する.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.