Japanese
English
入門講座 脳性麻痺に対する手術療法
脳性麻痺の膝・足部手術
Knee and foot surgery for cerebral palsy.
田中 弘志
1
Hiroshi Tanaka
1
1心身障害児総合医療療育センター整形外科
1The National Rehabilitation Center for Disabled Children, Orthopaedic Surgery
キーワード:
脳性麻痺
,
膝
,
足部
,
手術
Keyword:
脳性麻痺
,
膝
,
足部
,
手術
pp.1065-1069
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200046
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脳性麻痺の膝関節拘縮
脳性麻痺の患者では,二関節筋(2つの関節をまたいで作用している筋肉)の痙縮から生じた屈筋群の短縮により,屈曲拘縮(伸展制限)を生じることが多い.主に膝関節の屈曲拘縮の原因となるものはハムストリングスと呼ばれる二関節筋であり,それらはすべて骨盤の座骨結節や恥骨から脛骨近位部,腓骨頭に付着している.内側に存在する内側ハムストリングス(半腱様筋,半膜様筋,薄筋),外側ハムストリングス(大腿二頭筋)の2つに分けられる.
多くが内側ハムストリングスの短縮から始まり,進行すると外側ハムストリングスが短縮する.そのためハムストリングスの筋解離術を行う場合は,先に内側ハムストリングスの筋解離を行い,目標の可動域に達しない場合に続いて外側ハムストリングスの延長を行っている.ハムストリングスの短縮が進行すると股関節伸展位でも膝関節の伸展制限が生じてくる.これは長期間のハムストリングスの筋肉の短縮により徐々に膝関節の後方関節包が拘縮してくるためであり,重度の膝関節の拘縮が存在する場合は膝関節の後方関節包切開術1)を行うことがある.
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