Japanese
English
入門講座 脳性麻痺に対する手術療法
脳性麻痺の股関節手術
Hip surgery for cerebral palsy.
田中 弘志
1
Hiroshi Tanaka
1
1心身障害児総合医療療育センター整形外科
1The National Rehabilitation Center for Disabled Children, Orthopaedic Surgery
キーワード:
脳性麻痺
,
股関節
,
手術
Keyword:
脳性麻痺
,
股関節
,
手術
pp.965-968
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200025
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
脳性麻痺の股関節脱臼,亜脱臼
脳性麻痺の患者では,筋緊張亢進から生じる痙直型麻痺により股関節の脱臼,亜脱臼が生じることがある.過去の報告では全体の約35%で脱臼,亜脱臼が生じるといわれており,特に重度の症例になると頻度が増加し,Gross Motor Function Classification System(GMFCS)Ⅳでは69%,Ⅴでは約90%で生じるといわれている1).一度股関節の亜脱臼,脱臼が生じると保存治療で改善するのは難しいため整復位を得るためには手術治療が必要となる.脳性麻痺の股関節脱臼,亜脱臼を無治療で経過をみた場合,股関節の可動域制限(特に開排,外転,屈曲)が生じ,姿勢,体幹のバランスに悪影響を及ぼし,症例によっては痛みの原因となることがある.
手術適応については前回述べた通りであり,今回は具体的な手術治療の内容について述べることとする.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.