Japanese
English
特集 スポーツ障害のリハビリテーション
下腿・足部
Rehabilitation for sports disorder in lower leg, foot and ankle
松井 智裕
1
,
佐竹 勇人
1
,
熊井 司
2
Tomohiro Matsui
1
,
Hayato Satake
1
,
Tsukasa Kumai
2
1阪奈中央病院スポーツ・関節鏡センター
2奈良県立医科大学スポーツ医学講座
1Hanna Central Hospital Sports & Arthroscopy Center
キーワード:
スポーツ障害
,
下腿
,
足部
Keyword:
スポーツ障害
,
下腿
,
足部
pp.597-607
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200649
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はじめに
下腿・足部におけるスポーツ障害は,各種スポーツにおけるランニングやジャンプ動作の反復によって引き起こされるオーバーユースが原因となるが,特に昨今のランニングブームにより一般ランナーが増えたために下腿・足部のスポーツ障害により整形外科を訪れる患者の数は増え,またその年齢層も広がってきている.
下腿・足部の障害を考える際には,ヒトの歩行の特徴を知っておく必要がある.つまり,ヒトの足は直立二足歩行を行うために進化を遂げてきたといえる.安定して直立するためや長時間の歩行を可能とするために踵を地面に着けるようになったのも特徴の1つであり,さらに踵接地の衝撃を吸収するためにヒトのアキレス腱は人体で最大強度を誇る腱にまで進化した.また,接地時の衝撃を吸収するためや,歩行時の推進力を得るために足部のアーチ構造も発達している.しかし一方で,これらの部位には負荷がかかりやすいということも同時に言え,疲労が蓄積して障害に発展していくことも多い.
スポーツ選手に対する治療における最大の目標は,早期の競技復帰である.そのためには低侵襲で効果的な治療法を提供する必要があり,そのうえでリハビリテーションはスポーツ障害の治療において大変大きなウェイトを占めると考えている.
本稿では,下腿・足部のスポーツ障害および一部のスポーツ外傷についての最近の知見を述べるとともにそれらのリハビリテーションについて解説する.
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