Japanese
English
実践講座 認知行動療法・第3回
うつ病
Depression.
佐藤 寛
1
Hiroshi Sato
1
1関西大学社会学部
1Faculty of Sociology, Kansai University
キーワード:
うつ病
,
認知行動療法
,
復職支援
Keyword:
うつ病
,
認知行動療法
,
復職支援
pp.1071-1075
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200049
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はじめに
現代の日本にとってうつ病は国民病とも呼ぶべき重大な疾患であり,緊急に対策が求められる問題である.2011年の厚生労働省の調査によれば,わが国におけるうつ病患者総数は70.4万人である.1993年の調査では13.3万人であったことを考えると,20年足らずの間に5倍以上に増加したことになる1).これは必ずしもうつ病の発症率が近年激増したというわけではなく,うつ病が日本社会に広く知られるようになったことで患者が医療機関にアクセスする頻度が増えたという側面もある.
しかしながら,いずれにしてもわが国の医療従事者がうつ病の患者にかかわる機会が着実に増加していることに違いはない.また,うつ病が日本において引き起こしている経済的損失は年間およそ1兆2,870億円と推定される2).その大半を占めるのは,職業生産性の低下による損失と,自殺による損失である.
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