Japanese
English
症例報告
A型ボツリヌス毒素製剤投与後にCI療法を施行し,1年間の経過観察を実施した1症例
Constraint-induced movement therapy after injection of botulinum toxin type A for a chronic stroke patient:A 1-year follow-up case report.
天野 暁
1
,
竹林 崇
1
,
花田 恵介
1
,
梅地 篤史
1
,
丸本 浩平
2
,
道免 和久
3
Satoru Amano
1
,
Takashi Takebayashi
1
,
Keisuke Hanada
1
,
Atsushi Umeji
1
,
Kohei Marumoto
2
,
Kazuhisa Domen
3
1兵庫医科大学病院リハビリテーション部
2兵庫医科大学リハビリテーション部
3兵庫医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation, The Hospital of Hyogo College of Medicine
2Department of Rehabilitation, The Hyogo College of Medicine
3Department of Rehabilitation Medicine, The Hyogo College of Medicine
キーワード:
CI療法
,
ボツリヌス毒素製剤
,
痙縮
Keyword:
CI療法
,
ボツリヌス毒素製剤
,
痙縮
pp.679-683
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110566
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はじめに
脳卒中後の痙縮の有症率は発症から12か月経過した後も39%に至ると報告されており1),疼痛の出現や運動機能が阻害されることが問題視されている.欧米では痙縮に対してボツリヌス毒素製剤投与が広く用いられており,リハビリテーションプログラムの一部として機能するべきである,とガイドラインの基本原則に記載されている2).本邦でも2010年10月末よりA型ボツリヌス毒素製剤投与が承認され,その治療報告やリハビリテーションを組み合わせた介入前後の短期経過観察は散見される.しかし,6か月以上の長期経過観察報告についてはいまだ報告は不十分である.
今回われわれはA型ボツリヌス毒素製剤投与後に2週間のconstraint-induced movement therapy(CI療法)を施行し,1年間の経過観察を実施した1症例を経験した.結果,介入前後,そして介入後1年間にわたり良好な改善を得た.また,A型ボツリヌス毒素製剤投与後に改善した異常筋緊張(痙縮)は,1年後にもその改善を維持しており,1年間の経過観察において,重ねてボツリヌス毒素製剤が投与されることはなかった.本稿では,A型ボツリヌス毒素製剤投与とその後のCI療法,そして,介入後から1年間の長期経過観察について報告する.
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