集中講座 臨床研究倫理ことはじめ・第7回
介入研究(3):安全性情報の取り扱い
神山 圭介
1
1慶應義塾大学医学部クリニカルリサーチセンター
キーワード:
有害事象(AE)
,
重篤な有害事象(SAE)
,
既知・未知
,
研究情報
,
措置情報
Keyword:
有害事象(AE)
,
重篤な有害事象(SAE)
,
既知・未知
,
研究情報
,
措置情報
pp.685-687
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110568
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臨床研究の安全性確保
「臨床研究に関する倫理指針」(以下,「指針」)では,臨床研究に伴う危険が予測され,安全性が十分に確保できると判断できない場合,研究責任者は原則として研究を実施してはならないことを規定しています(第2-2(2)).この規定は,研究協力者(被験者)はもちろん,研究に関わるすべての関係者や実施機関,さらには社会全般に対する安全の確保について,研究責任者の責務を明確に示したもので,臨床研究の立案や準備の段階のみならず,開始後も研究終了までの間,常に意識すべき重要な点です.
臨床研究にはさまざまな種類がありますが,既存の試料等(サンプルおよびデータ)を利用して行う観察研究や,新規に診療目的で収集される試料等の一部の提供を受けて実施する観察研究では,研究協力者のリスク(不利益)は,通常「プライバシー侵害の可能性」に限定されます.このリスクを最小化する手段として,試料等の匿名化が重要となることを先に述べました(本連載第4回,第5回).
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