Japanese
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実践講座 小児発達検査・第3回
全般的発達
General development.
竹厚 誠
1
Makoto Takekoh
1
1国立成育医療研究センターリハビリテーション科/発達評価センター
1Division of Rehabilitation Medicine and Developmental Evaluation Center, National Center for Child Health and Development
キーワード:
全般的発達
,
発達評価
Keyword:
全般的発達
,
発達評価
pp.239-244
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110435
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はじめに
小児発達検査,それも全般的発達を評価する発達検査に関わることを求められている心理士は多い.筆者が所属する国立成育医療医研究センターリハビリテーション科/発達評価センターにおいても同様である.
当院の発達評価センターでは,まず担当医師の診察を経て,筆者を含む心理士が1次評価を行う.そして検査結果は担当医師より保護者にフィードバックされるが,必要がある患者については理学療法,作業療法,言語聴覚療法といったリハビリテーション各専門分野の視点から,さらに2次評価が行われる流れとなっている.つまり,当院発達評価センターにおける心理士は,患者の全般発達・全般知能に関する評価者であると同時に,最初に患者と向かい合うテスターとして,そこで得た情報を他専門職に伝える役割をも担っている.
全般的発達の検査には,もちろん患者の発達的側面あるいは知的側面の全体像を明らかにすることが求められている.それは患者個人内の能力的バランス,つまり得意なこと/不得意なことの把握を意味する.そしてその情報は,担当医師や各専門職が患者を理解するための一助となるだけでなく,保護者へのアドバイスの基盤となり,学校など他機関とも共有され患者との関わりについての提言に繋がっていく.能力についての客観的な評価と定量化は,患者のポテンシャルを無視した“できる/できない”の判定という意味ではどこか“冷たさ”を感じさせるが,その一方で,前述のようなポジティブな可能性を孕んでいることもまた事実である.
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