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はじめに
2012年度改定は診療報酬・介護報酬の同時改定に当たっており,診療報酬改定の重点課題の一つに「医療と介護の役割分担の明確化と地域における連携体制の強化および在宅医療等の充実」が掲げられ,生活期(いわゆる維持期)のリハビリテーション提供について今後の方向性が示された1).診療報酬改定の具体例の一つには,医療保険のリハビリテーション(医療リハビリテーション)を提供される患者のなかでも,生活期に該当する身体機能の維持目的におけるリハビリテーションについては,介護保険のリハビリテーションへの移行がより強く推進された.医療リハビリテーションに位置づけられる疾患別リハビリテーションの一部は,2013年度いっぱいという期限付きという解釈もできる.また介護報酬改定としては定期巡回24時間型訪問介護看護サービスを含めた地域包括ケアシステムの重点化が2025年を目処に示された.地域包括ケアシステムのなかで在宅リハビリテーションに限定して考えると,地域の住まいと医療施設の間に成立する双方向的な介護保険のリハビリテーションが可能となるシステムである(図1).なお,在宅リハビリテーションは,地域リハビリテーションにおける直接援助活動であり,在宅で暮らす人々に対しリハビリテーションの立場から行われる通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションなどの直接サービス活動2)と浜村は定義している.
本稿では,2012年度に改定された診療報酬と介護報酬における生活期リハビリテーションあるいは地域リハビリテーション(在宅リハビリテーションを中心)に関連する項目のポイントを述べた後に,在宅リハビリテーションの一環である通所リハビリテーション,特に短時間通所リハビリテーションを一つの切り口として,生活期リハビリテーションあるいは地域リハビリテーションにおいて最重要とされる医療・介護連携について取り上げてみたいと思う.
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