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増大特集 新・リハビリテーション技術
障害編・その他
痙縮:ボツリヌス毒素によるブロック療法
Block therapy of spasticity with botulinum toxin.
松尾 雄一郎
1
,
真野 行生
1
Yuichiro Matsuo
1
,
Yukio Mano
1
1北海道大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
1Department of Rehabilitation and Physical Medicine, Hokkaido University, Graduate School of Medicine
キーワード:
ボツリヌス毒素
,
痙縮
,
ブロック療法
,
単線維筋電図
Keyword:
ボツリヌス毒素
,
痙縮
,
ブロック療法
,
単線維筋電図
pp.1265-1268
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109938
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はじめに
ボツリヌス毒素はボツリヌス中毒症の原因菌として知られているボツリヌス菌(Clostridium botulinum)より単離された蛋白質であり,その神経毒素の分子量は約15万で,重鎖(分子量10万)と軽鎖(分子量5万)から構成されている.ボツリヌス毒素のうちA,B,C1,D,E,F,Gの7種類が神経毒性を有しており,そのなかでA型毒素が物理化学的に安定しており人に対する比活性も高いことから,医療への応用が研究されるようになった.A型ボツリヌス毒素の臨床応用の研究は,1968年,米国眼科医のA.Scottが斜視に対して開始したことに始まり,1989年,米国で初めて眼瞼痙攣,斜視,第Ⅶ神経障害に適応が承認された.わが国ではアラガン社製ボトックス100注が,1996年10月,「眼瞼痙攣」に対して輸入承認され,その後,2000年1月,「片側顔面痙攣」,2001年6月,「痙性斜頸」に対して効能・効果追加が承認されている.また,B型ボツリヌス毒素についても臨床応用が検討されている.
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