Japanese
English
特集 腰部脊柱管狭窄症―各種療法と日常生活指導
保存療法―ブロック療法
Conservative Therapy: Block Therapy.
紺野 慎一
1
,
菊地 臣一
1
Shinichi Konno
1
,
Shinichi Kikuchi
1
1福島県立医科大学整形外科
1Department of Orthopedics, Fukushima Medical College
キーワード:
保存療法
,
ブロック療法
Keyword:
保存療法
,
ブロック療法
pp.806-808
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108186
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はじめに
神経ブロックは,整形外科認定医の95%が良い治療法と考え,日常診療で何らかの神経ブロックを行っている.神経ブロックが有効であると考えている症状としては,腰仙椎部の神経根症状が90%と最も多い1).すなわち,腰部脊柱管狭窄に対するブロック療法は,保存療法には必要不可欠な治療といえる.
腰部脊柱管狭窄による神経症状は神経根型,馬尾型,および混合型の3型に分類できる2).神経根型は,自覚的には下肢の疼痛を主訴とする.この神経根症状に対しては,腰部硬膜外ブロックや神経根ブロックが効果的である.特に高齢者で後根神経節が中枢側にある症例ほど神経根ブロックの有効性は高い3).また,自然寛解する症例も少なくない4).
これに対し,馬尾型と混合型が有する馬尾症状は,それ自体重症である,したがって,保存療法の効果は期待しがたく,自然寛解の可能性も期待できない.しかし,選択的脊髄動脈造影や腰部交感神経節ブロックにより症状が軽快する症例も少なからず存在する5-7).われわれはこれらの事実を考慮しながら,腰部脊柱管狭窄に対する保存療法としては,神経根症状に対しては腰部硬膜外ブロックまたは選択的神経根ブロックを,馬尾症状に対しては選択的脊髄動脈造影または交感神経節ブロックを行っている.
本論文では,腰部硬膜外ブロック,神経根ブロック,および交感神経節ブロックについて述べる.
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