Japanese
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増大特集 新・リハビリテーション技術
障害編・その他
痙縮:バクロフェン髄腔内投与療法
Intrathecal baclofen administration.
井上 虎吉
1
Torakichi Inoue
1
1中部労災病院リハビリテーション科
1Chubu Rousai Hospital
キーワード:
痙縮
,
バクロフェン
,
髄腔内持続投与
Keyword:
痙縮
,
バクロフェン
,
髄腔内持続投与
pp.1269-1273
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109939
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はじめに
痙縮により,残存筋力があっても有効な日常生活動作に結びつかない例は多い.従来用いられてきた内服薬や硬膜外ブロック,局所のモーターポイントブロックによっても痙縮の有効な軽減はなかなか得られず,時間がたつにつれて関節拘縮や筋萎縮を生じ,結果的に随意性そのものが廃用により消失してしまうことも,臨床上よく遭遇する.海外では既に1980年代から,Pennら1,2)によりバクロフェンの髄腔内投与が痙縮の軽減に有効であるとの報告がある.わが国でも1989年に吉村ら3),1991年に平ら4)により有効であると報告され,保険適用のための臨床治験が待たれていた5).ようやく2001年より有効性と安全性に関する治験のプロトコールが決まり,2002年になって全国の病院での臨床試験が始まった.効果判定までまだ時間は要するが,今後保険適用され,多くの痙縮で苦しんでいる患者さんの救いになれば幸いである.
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