眼科手術の適応―最新情報
3.斜視 5)ボツリヌス毒素注射併用斜視手術
三村 治
1
1兵庫医科大学神経眼科治療学講座
キーワード:
斜視手術
,
ボツリヌス毒素
,
外眼筋
,
strabismus surgery
,
botulinum toxin
,
extraocular muscles
Keyword:
斜視手術
,
ボツリヌス毒素
,
外眼筋
,
strabismus surgery
,
botulinum toxin
,
extraocular muscles
pp.1069-1074
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000143
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A 型ボツリヌス毒素(以下BTX-A)の臨床応用は米国の眼科医Alan Scott 博士によってまず斜視に対して開始されたにもかかわらず,わが国においては2015 年6 月にようやく斜視への適応拡大が認められた。しかし,認可に先立つ治験では対象は水平斜視のみであったが,認可の際には12 歳以上という年齢制限以外には特に対象の制限はなく,上下斜視に対する注射や手術の際に顕微鏡下に外眼筋を確認しながらの注射も可能となった。特に後者では後転筋に注射することで,通常の後転術よりはるかに大きい眼位矯正量を得ることができ,大斜視角の斜視1)2)や麻痺性斜視への眼筋移動術と有意差のない効果3)を得られるとの報告もある。私たちは斜視への適応拡大以降1 年半で90 例のさまざまな斜視で139 回のBTX-A 注射を行ってきたが,そのうち通常の斜視手術では効果不十分と考えられる29 例で33 回の手術時にBTX-A 注射を併用した。本稿ではその自験例をもとにBTX-A 注射併用斜視手術を解説する。
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