Japanese
English
増大特集 新・リハビリテーション技術
疾患編
脳血管障害:機能的MRIによる片麻痺回復の予測
Does functional MRI predict functional recovery from hemiplegic stroke?.
宮井 一郎
1
Ichiro Miyai
1
1ボバース記念病院
1Bobath Memorial Hospital, Neurorehabilitation Research Institute
キーワード:
脳卒中
,
片麻痺
,
fMRI
Keyword:
脳卒中
,
片麻痺
,
fMRI
pp.1149-1154
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109919
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
欧米のstroke unitを主体としたrandomized controlled trialの結果,多角的なリハビリテーションアプローチは脳卒中患者の日常生活動作や歩行などのdisabilityを改善,在院日数を短縮し,自宅復帰率を高めることが明らかになっている1).一方,運動麻痺などのimpairmentレベルでは同様な証明はなされていないが,麻痺の回復に伴って,麻痺肢の運動に関連する脳内ネットワークに変化が生じることには,多くの証拠が蓄積されつつある.それらの研究で,主に用いられる手法としては,positron emission tomography(PET),functional magnetic resonance imaging(fMRI),光イメージングなどの機能的脳画像やtranscranial magnetic stimulation(TMS)などの臨床神経生理学的検査がある.
本稿で与えられたテーマは,fMRIを用いて脳卒中の片麻痺回復の予測ができるかという大変魅力的なものであるが,現在のところそれに対する十分な答えはない.そこで,現在までになされた報告は膨大な量ではないので,それらを整理し,本テーマに関する現状と問題点を議論したい.fMRIで回復を予測するためには,まず,麻痺のある上肢や下肢の運動時の脳賦活の特徴を明らかにする必要があるからである.また,「fMRIによる」予測とのテーマであるが,他のmodalityによる結果にも言及しないと議論が不十分になるので,PET,光イメージングやTMSによる研究も一部,取り上げる.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.