Japanese
English
特集 リハビリテーションと臨床神経生理学
脳卒中片麻痺の脳機能画像検査
Brain function imaging applied for recovery of hemiparetic stroke.
佐山 一郎
1
Ichiro Sayama
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
1Akita Prefectural Rehabilitation and Psychiatric Center
キーワード:
脳卒中後片麻痺
,
上肢機能回復
,
脳機能画像検査
,
SPECT
,
fMRI
Keyword:
脳卒中後片麻痺
,
上肢機能回復
,
脳機能画像検査
,
SPECT
,
fMRI
pp.619-627
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100608
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はじめに
脳の画像診断技術は日進月歩であり,その脳卒中診療に果たす役割は大きい.最近では急性期治療の診断根拠となる情報を提供するうえで,さまざまな機能画像検査手段とその臨床応用が報告されている1).脳卒中診療のうちリハビリテーションの領域では,運動麻痺や感覚障害,高次機能障害,前頭葉機能障害による遂行機能障害などがADL(activities of daily living)障害の原因として問題となる.運動麻痺は多くの脳卒中患者の基本動作・ADL障害の主因であり,なかでも上肢能力障害は機能予後不良な場合が多く,急性期からの治療戦略が重要となる.片麻痺による上肢能力障害は,時に随伴障害により使用が制限されている場合があり(総合リハ2003年12月号特集「片麻痺の随伴障害」),その病態を把握することが片麻痺を扱ううえで評価のポイントとなる.
本稿では,まず脳卒中後片麻痺の病態理解に応用可能な最近の脳機能画像検査について簡単に触れ,これら診断技術の進歩から徐々に明らかとなりつつある運動麻痺(特に上肢麻痺)の機能回復メカニズムについて概観する.そしてこれらの知見を,片麻痺評価や治療戦略,機能予後予測など,日常臨床にどう役立てるか,自験例をもとに解説する.
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