Japanese
English
研究と報告
脳卒中片麻痺の上肢感覚障害と機能的経過について
Functional Evaluation of Sensory Defects of Hemiplegic Hand.
染矢 富士子
1
,
立野 勝彦
1
,
染矢 滋
2
,
松本 美紀
2
,
神崎 陽子
2
Fujiko Someya
1
,
Katsuhiko Tachino
1
,
Shigeru Someya
2
,
Miki Matsumoto
2
,
Youko Kansaki
2
1金沢大学医療技術短期大学部
2辰口芳珠記念病院
1School of Allied Medical Professions, Kanazawa University
2Tatsunokuchi Hoju Memorial Hospital
キーワード:
脳卒中
,
片麻痺
,
感覚障害
,
上肢機能
Keyword:
脳卒中
,
片麻痺
,
感覚障害
,
上肢機能
pp.51-55
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107273
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はじめに
脳卒中片麻痺で上肢の障害に関わる要因は複数あり,運動麻痺の程度や高次脳機能,精神機能などがある.運動麻痺については,上肢が実用手になるためにBrunnstrom's stageがV以上に達していることという必要条件が一般的に知られている1,2).しかし,麻痺が改善し,失行・失認もなく,意識障害も認められない患者であっても,上肢が実用手とならない場合,上肢の感覚障害が存在している例を臨床的に経験する.ところが中枢性障害による感覚障害に対する検査の評価は検者により異なることがあり,改善の基準をどこに置けばよいのか迷うことがある.また感覚障害の回復期間に関する報告も少なく,障害側が利き手の場合,運動機能が良いと,利き手交換が必要かどうかの判断時期が遅くなる傾向にある.そこで今回,上肢の感覚障害をなるべく客観的に評価し,実用手,補助手,廃用手との関連性について検討した.
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