障害者ケアマネジメント

Care management for persons with disabilities.

はじめに

　ケアマネジメントは社会福祉援助技術の一方法である．地域において生活している障害者の複合的なニーズを総合的に満たす支援方法であり，また，一人ひとりの個別のニーズを満たすための方法であるので，対象者が障害児や高齢者であっても，身体障害，知的障害，精神障害のある者であっても，支援の方法やプロセスは基本的には同じである．

　また，ケアマネジメントはケアマネジャーのほか必要な各種専門職によるアセスメント結果を持ち寄り，利用者を中心にしたチームワークによりケア計画を作成し，複合的なサービスを一体的に提供していく方法である．したがって，ケアマネジメントの理念や方法は，各種専門職のアセスメントによりリハビリテーション計画を立て，チームアプローチにより総合的なリハビリテーションサービスを提供していく方法・過程と共通している．

　重要なことは，専門職主導の「医学モデル」ではなく，「生活モデル」に立脚し，サービス利用者自身の意向，希望，主体性，選択性を尊重し，利用者自身が望む生活を実現するためにさまざまな社会資源を開発・活用して支援することであり，本人の自立とエンパワメントを大事にしなければならない．

　2003年度から実施予定である障害者ケアマネジメント事業のこれまでの検討の経過，基本理念，実施原則，実施過程（プロセス）のほか，今後の課題等をまとめたい．