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はじめに
2009年8月に行われた衆議院総選挙において,民主党が大勝し,政権交代を現実のものとした.その政権交代の基本にあったのが「民主党マニフェスト2009」であった.その「マニフェスト」には,「26.『障害者自立支援法』を廃止して,障がい者福祉制度を抜本的に見直す」と明記されている.その政策目的を,「障がい者等が当たり前に地域で暮らし,地域の一員としてともに生活できる社会をつくる」とし,具体策として,①「障害者自立支援法」は廃止し,「制度の谷間」がなく,サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮称)を制定する,そして,②わが国の障がい者施策を総合的かつ集中的に改革し,「国連障害者権利条約」の批准に必要な国内法の整備を行うために,内閣府に「障がい者制度改革推進会議」を設置する,という2点を打ちだした.
政権交代を果たした直後に,障害者自立支援法が廃止されるのではないかと思っていた障害当事者も少なくなかった.しかし,その後,長妻昭厚生労働大臣は「応能負担に切り替えていくが,新しい法律が施行される時期は,次の衆議院議員選挙が実施される4年後くらいになるであろう」と語り,そう簡単には新法ができるものではないことを強調した.
このように障害者福祉が混沌としている状況のなかでも,障害のある人たちは,地域社会での生活を希望して,居住型施設から飛びだしたり,親元から離れたりして,自立生活を求め続けている.このような障害のある人たちを支援する一つの方法論として,ケアマネジメントは存在している.本稿では,現存する「障害者自立支援法」において,ケアマネジメントには,どのような問題点があり,どのように課題を解決していく手立てが打たれているのかを検証していきたい.
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