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はじめに
筆者は1975年4月生まれである.障害は筋ジストロフィーのデュシャンヌ型(muscular dystrophy Duchenne type)で,現在,気管切開で人工呼吸器を常に使っている.北海道札幌市で自立生活(一人暮らし)をしている.神経筋疾患で医療ケアの必要な障害当事者である筆者自身の自立生活を通し,障害者の生活と医療ケアの現状と課題について解説する.
はじめに筆者の障害の経過について説明したい.3歳の時に歩き方がおかしいため病院で診察を受けたところ筋ジストロフィー・デュシャンヌ型との診断を受けた.4,5歳のころは4階までの階段の昇り降りができていた.7歳で補助輪なしの自転車に乗れるようになった.それから脚の筋力が低下していき,10歳で歩けなくなった.以来車椅子を使用している.
それから養護学校に転校した.その後,腕の筋力も低下していき排泄や入浴に介助が必要となり,14歳から国立療養所八雲病院(現国立病院機構八雲病院)に入院した.19歳から電動車椅子を使用している.21歳の時に八雲病院を退院し,札幌で自立生活を始めた.介助が必要だったので,ヘルパー制度を利用しながらの生活である.
26歳の時に呼吸困難感があり,病院で血液検査を受けたところすぐに人工呼吸器の使用が必要な状態とわかり,検査入院をして呼吸器を使い始めた.鼻にマスクをつけて人工呼吸器を使用していたが,飲食が難しく,鼻詰まりになると空気が入りにくく,呼吸器をつけた姿も良くないため気管切開をして呼吸器を使うことを自分で決めた.2017年7月で呼吸器を使用して15年になる.声を出せるようにカフは使っていない(図1).
現在は,心肥大の治療と定期受診を受けているが,あまり変化がない.現在は電動車椅子の操作,咀嚼と嚥下,会話,考えること以外はすべて介助が必要である.
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