「アイ・アム・サム」―知的障害者とビートルズの幸福な出会い

　前号でも述べたとおりアカデミー賞といえば障害者もの．今年も主要部門受賞の「ビューティフル・マインド」だけでなく，「メメント」や「アイ・アム・サム」などが賞レースに絡み，改めて「レインマン」（89年）以降の障害者映画の強さを印象づけた．

　「アイ・アム・サム」（監督/ジェシー・ネルソン）は実話をもとにしているとのことだが，パパ（ショーン・ペン）は知的障害者，という設定はかってなかったものであり新鮮である・7歳程度の知能水準なので愛する娘が7歳になったら親としての資質に欠けるということで引き離されることになるのだが，そんなことは許されるかということで裁判に持ち込む．しかし，知的障害というハンディをもってどうやって闘う？