Japanese
English
研究と報告
等尺性膝伸展筋力と移動動作の関連―運動器疾患のない高齢患者を対象として
Relationship between isometoric knee extension muscle strength and mobility in the elderly patients.
山﨑 裕司
1
,
長谷川 輝美
2
,
横山 仁志
2
,
青木 詩子
2
,
笠原 美千代
2
,
大森 圭貢
3
,
平木 幸治
4
Hiroshi Yamasaki
1
,
Terumi Hasegawa
2
,
Hitoshi Yokoyama
2
,
Utako Aoki
2
,
Michiyo Kasahara
2
,
Yoshitsugu Ohmori
3
,
Kouji Hiraki
4
1高知リハビリテーション学院理学療法学科
2聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
3聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
4聖マリアンナ医科大学東横病院リハビリテーション部
1Department of Physical Therapy, Kochi Rehabilitation Institute
2Department of Rehabilitation Medicine, St. Marianna University School of Medicine Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, St. Marianna University School of Medicine Yokohama City Seibu Hospital
4Department of Rehabilitation Medicine, St. Marianna University School of Medicine Toyoko Hospital
キーワード:
等尺性膝伸展筋力
,
高齢患者
,
移動動作
Keyword:
等尺性膝伸展筋力
,
高齢患者
,
移動動作
pp.747-752
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109833
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はじめに
歩行や昇段,立ち上がりなどの動作能力と下肢筋力が密接に関連することは周知のこととなっている1-6).われわれも,等速性膝伸展筋力と移動動作の関連について検討し,移動動作自立のためには最低限の下肢筋力が必要なことを明らかにしてきた7-10).これらの研究結果が臨床で活用されれば,動作能力低下の要因分析や患者の動機づけなどに役立つことは間違いない.しかし,先行研究で使用されている筋力測定機器の多くは,特殊,あるいは高価であり,多施設に普及するには限界がある.さらに,携帯困難な機器や煩雑な測定操作を必要とする機器も多く,多忙な業務の合間や病棟,在宅などの環境下では,その利用が制限される.よって,より多くの理学療法士間で筋力の基準値を共有するためには,低価格で,簡便性,携帯性,信頼性に優れた測定装置によるデータの蓄積が必要である.
これらの背景から,われわれは,比較的安価なHand held dynamometer(以下,HHD)に固定用ベルトを装着することによって,筋力が強い被検者や体力のない検者においても良好な再現性が得られる等尺性膝伸展筋力測定方法を考案した11).
本研究では,この測定方法を用いて,呼吸・循環器疾患など運動器疾患のない高齢患者の膝伸展筋力を測定し,各種移動動作の自立に必要な膝伸展筋力水準について検討した.
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